ページの滞在時間が短いとき、何をすれば良いですか?
平均ページ滞在時間とは何ですか?
このガイドは、そんな疑問に答えます。
結論から言うと、Googleアナリティクスの平均ページ滞在時間は、検索順位の評価に使われていません。
ここ数年、Google社員の方が「Googleアナリティクスのデータはランク要因に使っていない」と、何度かアナウンスしています。
それにも関わらず、「滞在時間が伸びれば順位が上がる」という誤解が生まれています。
ランキング評価に使われていないのは、Googleアナリティクスのデータです。
ユーザーの行動は、Googleの検索結果画面、Google Chrome(ブラウザ)、Androidのブラウザから計測されている可能性があります。
これらのユーザー行動は、ランキング要因ではありません。
また、Googleアナリティクスのデータは「直接のランキング要因ではない」というだけです。
「アルゴリズムの学習」には、使われています。
よりよい検索結果を返すため、Googleは常に機能(アルゴリズム)を向上させています。
アルゴリズムを向上させるには、「検索結果が良くなった」というデータが必要です。
「そのデータ取得に、Googleアナリティクスが使われている」ということです。
Googleアナリティクスでどんなにスコアが良くても、個別のランキングは変化しません。
そこで実際に滞在時間を改善して、それがランキングに影響しているかを試しました。
Googleアナリティクスの平均ページ滞在時間とは
Googleアナリティクスの平均ページ滞在時間は、計測方法に注意が必要です。
ブラウザを閉じたり、Google検索に「戻る」と、計測できません。
Googleアナリティクスのスクリプトが、そこにないからです。
上図のような仕組みのため、実際に人が読んでいるのに、平均ページ滞在時間が00:00:00になることがあります。
この00:00:00は、カウントされない数値です。
9人が計測不能でも、1人が10分なら平均ページ滞在時間は10分です。
※多くの人が「1分になる」という誤解をしています。
離脱率とPVの関係
こちらのグラフは、ある記事のファーストビューから5つ目の見出しまでの離脱率を計測したものです。
計測期間は、4月1日から12月31日までです。
5つ目の見出しまでの離脱率を計測することで、どれだけ滞在して、どこまで読まれているかが分かります。
離脱率が増えて、PVが下がっているのが分かります。
しかし、以下の記事は逆です。
離脱率が増えているのに、PVも増えています。
この2つの記事は、全くリライトをしていません。
つまり、何もしていないのに、離脱率が増えているのです。
どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?
それは、検索キーワードごとの順位が変化しているからです。
残念ながら、検索キーワードごとに離脱率や滞在時間を計測することはできません。
滞在時間は、SEOのデータに使うのは、難しいと言えます。
このようにPV数と何かの要因を比較するグラフは、ほとんど意味がありません。
しかし測定できなくても、滞在時間は重要です。
あなたの記事は、「読む価値がある」と、読者が判断しているからです。
滞在時間はランク要因ではないが重要
Googleアナリティクスの滞在時間は、SEOには「使いにくいデータ」と言えます。
それは「滞在時間が短くても、検索の役に立った」というパターンが多いからです。
内容が短い記事で、検索ユーザーが解決できるのは、素晴らしいことです。
滞在時間を引き延ばすための施策は、ユーザーの快適さが損なわれ、逆効果になる恐れがあります。
滞在時間のランク要因は複雑
上記の図が示すように、「あなたの記事が他のサイトよりも、短い滞在時間だった場合、ランクに悪い影響があるのか?」という疑問が出てくると思います。
さらに「非常に短い滞在時間のブラウザバックを、大量の人が仕掛けたらランクに悪い影響があるのか?」という点も心配です。
結論から言うと、短い滞在時間のブラウザバックが悪い影響を与えることはありません。
これは海外のウェブマスターオフィスアワーなどでも回答されています。
また、ネットショップでは、短いブラウザバックは普通のことです。
商品を比較検討する人が多いため、滞在時間は短くなります。
「滞在時間が短いからランクを下げる」という単純なアルゴリズムでは、決してありません。
極端に滞在時間の短いサイトは改善するべき
だからと言って、すぐにブラウザバックをされるようなサイトは、改善する必要があります。
例えば「訪問直後に全面広告を出す」というサイトは、確実にユーザー離れを引き起こします。
ここはGoogleの立場で考えるとどうでしょうか?
ユーザーが嫌うサイトを検索には出したくないでしょう。
滞在時間を引き延ばすべきではない
ムリヤリ滞在時間を引き延ばしてはいけません。
SEOに必要なのは、滞在時間による判断ではなく、ユーザーが知りたいことを提供するコンテンツです。
検索と相性の良い滞在時間を伸ばす方法
ここに滞在時間を最適化するガイドがあります。
最適化ガイド
- コンテンツに価値を与える
検索ユーザーをがっかりさせないようにします。
ひとつでも良い情報を持ち帰ってもらいましょう。再訪問してもらえるチャンスが増えます。 - 嫌悪感のある広告を置かない
全面広告、メルマガへの過度な誘導を避けましょう。ブラウザバックを推進するような行為です。
マーケティングとして必要な場合、読了するポイントに設置しましょう。 - 文字サイズとサイト機能に配慮する
エミュレーターではない、実際のモバイル端末から見て、サイトの使いやすさをチェックしましょう。
スクロール量が多いと、離脱も多くなりますが、読みにくいほど詰まった行間は悪影響です。
上手くバランスを取ることが必要です。 - サイトスピードを最適化する
ブログに無意味なローディング画面を付けていませんか?
ファーストビューを表示するまでが遅いサイトは、確実にユーザーの離脱を誘います。 - 解決方法を先に書く
記事の最後に解決方法を書くのは、オススメできません。
検索ユーザーは、常に急いでいます。早く解決してもらい、早く離脱されるのは良いことです。
マネタイズであれば、解決方法の下に広告を置くのも手です。 - 冒頭の文章で期待させる
冒頭の文章は重要です。検索ユーザーは、解決できない雰囲気を感じるだけで、別のサイトへ行きます。 - イラストを多用する
小説よりマンガが売れるように、文字ばかりだと心理的な負担が増えます。
普段スマホで写真を送っているように、文字だけで伝えるのは困難です。
分かりやすい図やイラストを多用しましょう。
イラストが可愛いだけで、ファンが増えることもあります。 - 感情的に書く
強い思いは、より多くの人に響きます。
自分の体験を交えながら、相手の感情に訴えましょう。
あなたのサイトに人を滞在させることができます。 - 関連記事に誘導する
関連記事に誘導すれば、あなたのサイトに多くの人が滞在します。
ブラウザバックで他のサイトに訪問されるよりは、確実に良いことです。 - オススメの記事に誘導する
オススメの記事は、PVが多い記事とは限りません。
SNSにたくさんシェアされている記事や、外部からリンクされている記事を設置して、誘導しましょう。
シェアやリンクをさらに増やすことができます。
また、タイトルだけで興味を引く記事は、関連記事でなくても設置することをオススメします。
滞在時間から記事の品質をチェックする
Googleアナリティクスの平均ページ滞在時間は、どのように使えば良いでしょうか?
ひとつは、記事の品質をチェックするのに使えます。
Googleアナリティクスの行動>サイト コンテンツ>すべてのページを押します。
さらに上図を参考にサイト平均と比較ボタンと平均ページ滞在時間を押します。
これで「サイト全体の平均と比較した滞在時間」が出てきます。
しかし、注意してください。
文字数が多い記事は、滞在時間も長くなります。
「記事の文字数」を頭に入れながら、以下のように改善していきます。
- 滞在時間が少ない記事を見つける
(ページビュー:多い 滞在時間:少ない)
これは記事の品質を上げれば、より高いランクにできる可能性があります。
また、検索キーワードとミスマッチしてないかも疑いましょう。 - 滞在時間が多い記事を見つける
(ページビュー:少ない 滞在時間:多い)
1と逆のパターンです。
記事の品質に問題がなければ、ページタイトル、descriptionが最適化されているかを疑いましょう。
平均ページ滞在時間は、ブレが大きい数字です。
それは検索キーワード、文字数、内容次第です。(動画は長く滞在させる要素です)
あまり固執せず、ざっと見て確認する程度で構いません。
正確な滞在時間を計測するにはGTMを使う
グーグルタグマネージャ(GTM)を使えば、数字のブレを抑えることができます。
「○○分以上は計測しない」という設定にできるからです。
GTMを使うことで、より正確な滞在時間を計測できます。
実際に計測をしていると、成功しているページは、それほど滞在時間が長くないようです。
これは前述でもある通り、様々な検索キーワードの流入が混在しているためです。
結論
「検索ランキングのために滞在時間を延ばそう」というのは間違いです。
例えば、目次を削除すると滞在時間が延びます。
しかし目次がないことでユーザーが迷えば、離脱されるだけです。
多くの人が迷うサイトは、検索エンジンも嫌います。
さらに読了率と平均ページ滞在時間は、相対していません。
最後まで読まれていても、平均ページ滞在時間が長いとは限りません。
多くのユーザー行動が、数字のブレを生んでいます。
平均ページ滞在時間は、固執するほどの価値はありません。
あくまで参考程度にチェックし、サイト更新のヒントを得るのに役立てましょう!